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中洲の事情と福一不動産 その3

中洲についてもう少し説明します。
中洲内のお店の数は、全部で2700件。
平成9年は、そのうちの1400件が稼働していました。
全体の51.8%です。11年前は半分しか入ってなかったのです。
平成18年の終わり頃は、2700件のうち2000件。
全体の74%が稼働。ここ10年で25%増。4分の1増えました。
中洲というところは、いつも景気が悪いと言われています。
10年で25%増。すごい数字だと思いませんか?
10年で600件増えたことになります。1年で計算すると60件増。
閉店もあります。年に閉店する店が180件、開店する店が240件。
月5件ずつ増えていっています。


090829-03.jpg


一般的に、景気はよくないと言われた中洲ですが、実は、
良かったのです。
その波にわが社も乗せていただいた、ということです。
年間60件増ですが、開店の240件の仲介手数料が私どもの
売上になります。そういう地域なのですが、起業した時は
何も知りませんでした。地域性も分からずにいた私ですが、
地域を1件1件飛込みで回り、現状分析をして行ったのです。


090829-04.jpg


この地域の不動産市場をもう1つ話させてもらいますと、
地域は旧博多部、うちの事務所がある上川端は、生粋の
博多商人街だったのです。
博多というところは、福岡の古い町屋が残っており、
商売の町なのです。その商売の街のど真ん中に、弊社の
事務所があります。博多発祥で有名なお菓子屋さんや、
全国区にまで大きくなった会社も、たくさん出ている所です。
福岡発祥の会社というのは、ほとんどが弊社の近くにある、
川端商店街から天神(福岡一番の繁華街)に出て行き、
全国に進出しています。昔からある商売をしている人たちが
作ってきた街のど真ん中に弊社の事務所があります。

この地域に範囲を限定して不動産を始めたのですが、
なかなか不動産会社が進出しても、利益が上がらない
地域でした。なぜかと言うと、店舗に来るお客様は
ほとんど商売人。「仲介手数料負けろ!」とか、
「あんたんとこ(あなたのところ)のこれ(物件)は
つまらんめぇもん(駄目だね!)」と博多弁で言われ、
難しい地域。「賃貸は特に売り上げにならないという地域だ!」と
言われていました。今でも、競合の不動産会社は進出して来ません。
充分にマーケティングしてみると、お客さんが少ないところで、
賃貸不動産会社は採算が合わないと思われています。

例えば、この旧博多部の住人は昔からこの地域に住んでいるので、
「自分のところの家も持っています!」と言うお金持ちの多いところ。
では、どんなお客様がこの地域で不動産会社を利用されるかと言うと、
水商売の方。支払いが悪く、ルーズ。昼は寝ていて、夜活動する。
もしかすると、「バックに暴力団がいるのではないか?」と
思われる人たち。

水商売に対しては、一般的に偏見があると思いますが、地域を
限定したところ、客層はそのような方々へ限定されました。
最初は地域の限定をしただけだったのですが、この地域に
チラシを配りお客様を募ったところ、事務所の階段を上がって
お越し頂くのは、香水をつけた美人か、少し怖い格好をしたお店の
オーナーと商店主でした。また、お客様がお越しになる時間帯も
決まっていて、15時以降。


090829-05.JPG


地域を限定して、客層が限定できました。また、そのお客さまが
必要とするものを主力商品として、必至に頑張りました。

ここ10年で、どのようにして地域密着し、地域の方々に信用を得て、
会社を大きくして行ったのかを、このブログにてお教え致します。


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